夜の訪問者
昨晩、突然玄関のチャイムが鳴り響きました。
時計を見ると22時半。
「えっ、こんな時間にだれだろう?」と思いつつ
玄関を開けてみると、、、
そこには見たこともない70代くらいのおばあさんが立っていました。
外は極寒の-15℃。
それにも関わらず、おばあさんはシャツにベストとかなり薄着でした。
ただでさえこんな時間に知らないおばあさんが来たということでギョッとしましたが、
それに加えてこの薄着姿。
これは一体。。。
とはいえこのままでは仕方がないので訳を聞くために玄関へ招き入れました。
そして電気ストーブを付け、ダウンジャケットを着させてあげました。
「おばあさんこんな時間に一体どうしたんだい?」
「いやぁねぇ、なんだか迷子になってしまったみたいで・・・」
「おばあさんどこの人だい?おうちの人は?」
「私は隣の〇〇村に住んでるんだけど、迷子になってしまったみたいで・・・」
「おばあさん、おうちの電話番号わかるかい?」
「0××-×××-××××だよ」
さっそくその番号にかけてみると、、、
「この電話番号は現在使われておりません」
困ったな・・・。
そうこうしているうちにおばあさんが
「ありがとうございました。私は歩いて帰れられるので大丈夫です。
ご親切にありがとうございました。」
と出て行こうとするので、
急いでとめました。
「おばあさんこんな夜におうちまでなんて歩いていけないよ、
隣の村まで随分あるし、その格好で出歩いたら寒くて凍え死んでしまう。
送っていってあげたいんだけどおうちがわからないことにはどうしようもなくて。」
「おばあさんお名前はなんだい?」
「私は流石 むら (仮名)といいます」
「名前がわかったなら母に聞いてみよう」と
地元に詳しい母に聞いたところ、、、わからない。とのことでした。
んーーこれはどうしよう。。。
しばらく考えておりましたが良い答えが出ずに考え込んでいると、おばあさんが
「今日はね、みんなで集まってご飯食べていたんだよ。
それなのに私だけ迷子になってしまってねぇ。
うちまでの道がわからなくなってしまったんだよ」
ふむふむ。
おばあさんの話から察するに、
おそらく今日は親戚か何かで集まってこの私の家の近くのおうちで
ご飯を食べていたようです。
それが御開きとなり、
おのおの自分に家に帰ったのだけれど、
おばあさんが1人抜け出すような形でいなくなってしまったようなのです。
これは家族みんなが心配しているに違いない。
なんとしても早くおばあさんをおうちに帰してあげなければ。。。
とそんな中、電話がなりました。
電話相手は母でした。
なんと、おばあさんのおうちがわかったとの連絡が!
しかも家の方が既にこちらへ迎えにむかってくれているという!
「マジ、すごくない?どうやってわかったの?」
話を聞いて見ると、、、
〇〇村の流石 むら (仮名)さんという方を知っているかどうか
同じ〇〇村に住む知人たちに聞いてくれていたんだそうです。
すると田舎の世間は狭いものですぐにわかったらしいです。
すごいな、その手があったか。
その後しばらくしておうちの方が迎えに来てくれまして、
何度も何度もお礼を言って帰って行きました。
よかった、一件落着して。。。
時計を見ると11時半近く。
こんなハプニングもあるもんなんだなぁ。
でもうちにピンポンしてくれて本当によかった。
まだあてもなく迷子の状態だったら、寒さに耐えられなかっただろう。
ただ一点だけ。
お迎えに来たご家族の方との話で判明したのですが
おばあさんの苗字は「流石」ではなく「八木」(仮名)だったという。
流石は娘の嫁ぎ先の苗字だったそうです。
それはわかりづらい!
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